隠しキッス
「・・・なんで、君が僕の前なんだ」
「そんなの知るかよ、俺のくじ運に言えよ」
「・・・・・・・・」
1−3。
午前の授業が始まる前に、僕らのクラスは席替えをした。
席替えは、くじで決めて、適当に先生がほりこんでいくもので・・・
席替えをして、僕は窓際の一番後ろの席で、かなり好都合な席なのに・・・
その前が、まさか・・・黒崎一護だなんて、考えてなかった。
実際には、うれしいけど、やっぱり僕は素直になれなくて、恋人の席が前だなんて
そんなの授業に集中できないじゃないか。
「石田、おまえ本当はうれしいんじゃねえの?」
「な!?バカじゃないのか、君は!!そんなこと、ありえない」
クイっとメガネをあげて、僕は席に座った。
黒崎も席に着くと、ダルそうに教科書を出して、そして、僕の方を向いた。
「・・・なに?・・・////」
「・・・・・・・・そっか、その手があったか」
「だから、何が?」
現代文の時間なので、担任はかなり怖い。
ちょっと話してただけなのに、チョークを投げるし・・・できるだけ、この時間は
僕は話したくないのに、黒崎は前を向かない。
「・・・・・別に・・・」
「なんだよ・・・」
僕は眉間に皺を寄せて、小声で黒崎に言った。
黒崎は、一人楽しそうに、ククっと笑った。
ムカツク・・・早く言えよ・・・何が楽しみなんだ??
そう思ったとき、黒崎は、現代文の教科書を取り出し、教科書を開いた。
しかも、その教科書を開いたページが今、授業でしているところと、全然関係ないところだ。
「君・・・何がやりたいんだ?早く前に向いたらどうだ?」
「ああ、わかってる。これだけしたら、前を向くって」
「え?」
突然、僕の頭に手をやられ、黒崎は、僕の唇に自分の唇を重ねた。
だが、その光景は、現代文の教科書によって、見れなくなっていた。
黒崎が片手で、僕たちの顔を隠したからだ。
「・・・んぅ!!??」
「・・・・」
ゆっくりと離された唇・・・
僕は、目を白黒させて、黒崎を見た。
黒崎はイジワルそうにニっと笑って、そのまま前を向いた。
「あ・・・・あ・・・///////////////////////////」
してやられた。
黒崎が考えてたことって・・・これか・・・
僕は金魚のように口をパクパクさせて、顔を真っ赤にして、体を震わせた。
黒崎は、一瞬後ろに向くと、ニっともう一度笑って、前を向いた。
ムカツク・・・こんなのって・・・ありえない。
僕の怒りは頂点に達しようとした。
が、何も出来ない自分にもムカついて、下唇を噛み締めながら、前の席の男を睨んだ。
最悪だ。この席・・・。
こんな、不意打ちのキスなんて・・・ヒドイ。
そう思いながら、苛立ちをおさえて、僕は現代文の授業に集中した
END
2006年9月23日 Girl Cute
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