真っ白なノート・・・


それは、まだあなたと出会う前のこと。





 
真っ白なノート
「あ、これ落としたよ」 「ああ、わりぃ・・・」 そう言って、すまなそうに笑って、ノートを受け取る。 それは、まだ高校に入学して、間もないころのこと。 暖かな陽気がとても気持ちよくて、あたしはボーっと窓の外を見ていた。 ふぁーっとあくびをして、つまらない授業を聞いていた。 ドサ・・・。 何か落ちた音がしたから、床を除くと、ノートが落ちてた。 誰のかわからなかったけど、ともかく拾った。 そして、ノートの下らへんにノートの持ち主であろう人物の名前が書かれてあった。 『黒崎一護』と書かれてあった。 「くろさき・・・いちご??」 「あ・・・それ、俺の・・・」 横を向くと、そこにはオレンジの髪をした男がいた。 ああ・・・こいつが黒崎一護なんだー・・・ 学校に来てたけど、全然あたしは人の顔とか覚えられないから 隣の人とか、普通はわかんないんだけど、でも、こいつの名前だけは覚えてた。 なぜかは知らない・・・ でも、オレンジ髪で、妹思いの兄だから分かるんだと思う。 「はい」 「ああ、わりぃ」 そう言って、黒崎はあたしからノートを受け取った。 そう・・・それがあたしたちの出会いだったのかも知れない。 それからもう2年が経ったなんて、考えられない。 いつも、朝や夕方通る、学校の通学路。 そこをゆっくりと歩いて、あの人のところへ向かう。 あの時拾った真っ白なノートはもう、ほとんどボロボロで この3年間の思い出がたくさん書かれている。 そのノートと、真っ白なノートを持って、歩いた。 そして、あたしは足を止めると、オレンジ色の髪をした少年が ゆっくりと顔をあげて、あたしを見た。 そして、ニっと笑った。 「遅せえよ・・・・・・」 「ごめん、黒崎・・・」 ゆっくりと、こちらへ歩いてきて、黒崎はあたしの頭を撫でた。 「あのときと同じノートだな」 「うん。これから、またいろんな思い出書いていこうよ。 この真っ白なノートに・・・」 「ああ・・・あの時と同じようにな・・・」 そう言って、黒崎はあたしの手を握って歩き始めた。 あの時、ノートを拾った瞬間から、あたしと黒崎は結ばれたのだとおもう。 あの日と同じこの日にもう一度あなたと、この新しくて、何も書かれていない真っ白なノートに あなたと過ごす日々のことをまたいろいろと書き込んでいこうね。 黒崎・・・・・。
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