いつまでも、僕のそばに、、、
金色の満月が、水面に浮かんでいた。 離れ小島にある、孤児院を抜け出すのは最近の日課になっていた。 茶色の髪にブルーハワイの瞳・・・ まだ幼いながらも、不思議な雰囲気をしている少年、スコールは 毎日、深夜に孤児院を抜け出して島の海岸へときていた。 海岸には、モンスターが出るらしいが そんなものに未だ出会っていない。 だから、大丈夫と言い聞かせて、海岸を今日もトボトボと歩いていた。 「エルお姉ちゃん・・・・会いたいよ・・・・」 近くにあった、木の棒を手に掴んで満月を見つめながら 独り事を呟いた。 けれど、彼の言葉に誰も答えない。 エル・・・・スコールたちがいる、孤児院で姉のような存在だった。 特に、スコールが大好きな人だったが、ある日を境に彼女は孤児院からいなくなった。 それから、スコールは毎日この海岸に来てエルを探している。 「お姉ちゃん・・・なんで?どこに行っちゃったの?何で僕を置いていくの?」 金色の月を眺めながら、スコールの目には溢れ出すほどの涙が出ていた。 声を押し殺して、空を眺めて泣いた。 「お姉ちゃん・・・・っく・・・会いたいよぉ・・・・」 「こんなところにいやがったのかよ!」 「?」 自分の声とは別に、少し低い声が聞こえた。 誰だろう?と思って、ゆっくりと後ろを振り返ると、息を切らして顔を真っ赤にした 金髪の少年が居た。 「さいふぁー?」 「スコール、てめえ!!どこ行ってやがるんだ!」 サイファーは、眉間に皺を寄せてドスドスとスコールに近づき スコールの胸倉を掴んだ。 「いたぁ・・・・」 「てめえ!どういうつもりだ!?なんで、夜中にこんなトコに来てんだよ!? もし、モンスターに見つかってたら、てめえは殺されてるんだぞ!?」 「・・・・・サイファーには・・・関係ない・・・・」 「っ!?」 どすん。 サイファーはスコールの胸倉をパっと離した。 スコールは、そのまま地面にしりもちをついた。 「いて・・・・何でこんなことするの?」 「・・・・おまえ本当に人が心配してんのに、よくそんなこと言えるよな・・・ 最悪だよ、おまえ・・・・」 サイファーはブルっと拳を握り締めて、地面にしりもちをついた スコールを睨みつけた。 サイファーの瞳は少し潤んでいた・・・。 そのことに、スコールはハっとしたがサイファーはそのままスコールをおいて 駆け出して、どこかへ行ってしまった。 「・・・サイファー・・・僕を心配してた?僕、サイファーに最悪なこと言ったんだ・・・ だから、僕・・・サイファーに・・・最悪だって、言われた・・・・謝らなくちゃ・・・」 だんだんと胸の中のモヤモヤが広がっていき、それが苦しかった。 スコールはゆっくりと立ち上がって、そのまま孤児院へと帰った。 「サイファー・・・・」 「・・・・・・・・」 翌朝、みんなでご飯を食べた。 それから、みんなで昨日スコールが居た海岸へと行き 他の子供達は、海辺で遊んでいたがサイファーだけは、それを遠くからつまらなさそうに見ていた。 スコールも、他の子たちから「海へ入ろうよ!」っと誘われたが 彼は首を横に振って、サイファーが居る岩の陰になったところへ向かった。 「ね、サイファー・・・・あの、昨日はごめんね・・・僕、サイファーを傷つけた」 「・・・・!スコール・・・おまえ・・・・」 サイファーが顔をあげると、Tシャツの裾を握りながら スコールは大粒の涙を流していた。 なぜこんなに泣いているのかは、スコールにはわからなかった。 ただ、サイファーにだけは何故か嫌われたくなかったから・・・。 嫌われると思ったら、悲しくなって涙が出ていた。 「ふぇ・・・く・・・ごめんなさい・・・」 「・・・・スコール、んな泣くなって!もう気にしてねえから・・・ ただ、おまえが一人で夜中に出歩くからビックリして、心配しててさ・・・俺も、言いすぎた。ごめん」 サイファーは立ち上がって、スコールの頭を撫でた。 スコールは少し照れていて、涙は止まっていた。 「ごめんね、サイファー」 「うん、わかった。だから、もう夜に抜け出すなよ。 このこと、ママ先生に見つかったら大変だからな」 「うん、わかった」 ふんわりとした笑みでスコールは笑った。 そのことにサイファーはビックリして、顔を赤くした。 スコールが笑うなんて、いつ以来だろう・・・ コイツの笑顔を見るなんて、本当に久々だ・・・。 サイファーはスコールから目線を反らした。 スコールは?マークを浮かべながら、サイファーの顔を覗き込む。 「サイファー?」 「っ!スコール、泳ぎに行くぞ!!」 「え?あ、うん!!」 サイファーはスコールの手を握って、海へと走っていった。 その日以来、スコールは夜中に抜け出すこともなくなった。 そして少しずつだが、スコールには笑顔が増えていった END
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