夏休み
「あ〜〜!学校終わった〜〜!」
グっと伸びをして、クロトは椅子から立ち上がった。
「オールガ、今日から夏休みだよね!ねねね、明日遊ぼうよ!」
「あー、わりぃ。俺は明日からしばらく、夏期補修があって、遊べねえわ」
「え〜〜・・・そんなのサボっちゃえばいいじゃ〜ん」
「アホか、俺はおまえと違ってちゃんと、勉強すんだよ。っつーか、クロトおまえも夏休み中に勉強しろよな」
「・・・あーい・・・」
まさか、オルガに説教してもらうとは、予想もつかなかった、クロトはさっきまでのハイテンションが
いっきに消えて、笑顔が消えた。
「じゃあな、クロト。また行ける日があったら、メールする」
「うん、わかった。じゃあね。オルガ・・・」
オルガは帰る準備が終わると、急いで教室から出て行った。
クロトはため息をついて、もうほとんど自分以外のいない教室を見回した。
「う〜〜・・・僕も帰ろう・・・あ、シャニ!!」
教室の一番端の席で、ダルそうに帰る準備をしているシャニを見て、クロトはパっと笑顔になり
シャニのところへ駆け寄った。
「ねねね、シャニ!明日から夏休みじゃん!明日遊ぼうよ!」
「え?・・・あー・・・ごめん。無理」
「え!?何で??」
「明日から、オレバイト入ってるから無理だよ。クロトも暇ならどっかでバイトすれば?」
「あ・・・そっか・・・僕は別にバイトはいいや・・・」
「そっか。んじゃあ、オレ帰るから・・・じゃあね。また2学期に会えたら会おー」
ダルそうにふらっと立ち上がって、シャニはそのまま教室から出て行った。
気がついたら、いつの間にか、教室はクロトだけになっていた。
「・・・・・・みんな、せっかく受験終わったのに、何で遊ばないんだろ・・・」
一人むなしくなって、クロトはトボトボと、教室から出て、学校の自転車置き場に向かった。
ここは海に面した田舎町で、海に面した田舎の学校。
その、田舎町の高校にいつも通っているクロトは、毎日勉強の繰り返しで、つまらなくて
夏休みは遊ぼうと思ったのに・・・友達のほとんどが、塾やバイト・・・本当につまらない。
自転車に鍵を通して、自転車に乗って、学校を出た。
海岸に面している道路を自転車に乗って、帰る。これもまた、毎日の繰り返し・・・
だけど、この帰り道だけは、何故か楽しくて、一番好きな時間なのかもしれない。
「あーあ・・・みんなよく勉強とかできるよ・・・そうだ、途中で海岸に寄っていこう。」
突然クロトは海に入りたくて、家から海岸へと向かった。
自転車から降りて、砂浜を駆け下りると、一面の海が広がった。
「うっわ〜〜!やっぱ海はいいねー!」
クロトはパァっと笑顔になり、海に足だけをつけた。
「うわ!冷たい!」
1年ぶりに入った海は、まだ寒くて、それでもどこか暖かい感じだった。
まだ、冷たい海には誰も居ない。クロトだけがいる。
海の音は、とても心地よくて、ツンっとにおう、塩のにおいも1年ぶりでどこか懐かしい。
「う〜〜!これから夏本番!海にぜーーったいに行くもんね!
・・・って言っても、行く人はもう居ないけど・・・」
高校の友達を誘っても、みんなバイトや塾で無理・・・
中学の友達もまた、同じで・・・。
「彼女とかが居たら別だけど、彼女さえも居ないし、やっと受験が終わって
高校生になって遊ぶ時間が出来たんだから、遊んでもいいじゃん・・・」
ハァっとため息をついて、クロトは、地面にしゃがみこんだ。
地面は、濡れていた。
「あーあ・・・ズボン濡れた。でも、今はどーでもいいや・・・」
時折、大きな波がくれば、クロトの服までもぬらす。
「こんなびしょ濡れだったら、母ちゃんに怒られるな〜・・・本当にみんな・・・忙しすぎなんだよ・・・
ちょっとは・・・いっしょに遊ぼうよ・・・・・・」
だんだんむなしくなって、クロトの目から涙が浮かび上がった。
涙は、すぅっとクロトの頬に落ちた。
「くそ!男が泣くべきじゃない!!・・・しょっぱいし・・・」
ごしごしっと涙を手でふいた。
こんなんじゃ、彼女さえもできないよ!!
下唇を噛み締めて、グスンっと言って、立ち上がろうとした瞬間、肩に何かが触れた。
「ヒっ!?」
「そんな驚かなくていいじゃん」
「え?その声は・・・シャニ??」
「そー。正解」
突然、肩に誰かの手が触れてビックリして、頭上を見ると、シャニがクロトの肩に手を置いて
クロトを見下ろしていた。しかも、不気味な笑顔で笑っている・・・。
「シャニ・・・なんで・・・・・・・・」
「う〜ん?さあ、なんでここに居るのかって?それは、アイツに聞いてよ・・・」
「あいつ??」
クロトは、シャニをさえぎって後ろを見ると、たばこを吸いながら、こちら側に向かってきている
人物がいた。
「オル・・・ガ??」
「そー、オルガ」
オルガは眉間に皺を寄せて、たばこを吸い終えると、携帯用吸殻入れにたばこを入れて
こちら側に小走りで走ってきた。
「あ〜あ、おまえ何やってんだよ・・・服びしょぬれだぜ?」
「うん・・・ってか、何で2人ともここに??」
クロトは小首をかしげると、シャニとオルガは顔を見合わせて、オルガは
うんっとうなずいて、話し始めた。
「明日、塾サボるから、予定があいた。」
「オレもバイト明日休むって言ったから、予定あいたよ」
「え?でも・・・」
「何でとかは、もうなしな。説明すんの面倒だから・・・ともかく明日は遊びたくなったんだ。クロト・・・遊ぼうぜ」
「うーん、遊ぼー」
「・・・・う・・・ん!!!遊ぼう!!!」
クロトはうんうん、っと大きくうなずいて、ニっと笑った。
オルガもシャニもクスリと笑った。
「ようし!明日は海で遊ぶぞ!」
「えー・・・ダルイ・・・家で遊ぼうよー」
「何言ってんだよ、明日は海で遊んで体を焼く!」
「僕もそれさんせー!明日は三人でこの海で遊ぼう!」
「・・・・わかったー」
オルガとシャニがわざわざ、自分と遊んでくれるために、塾やバイトを休んで
それを言いに来るために、ここまで来てくれて・・・僕はとってもうれしい。
2人が何で休んだかなんて理由は、聞かなくてもわかったんだ。
だから、言わないけど、僕は心のそこから、ありがとうと思ったよ^^
最高の夏休み、初めて出来た高校の友達と、遊ぶ!
明日がとっても楽しみだな〜。
END
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はい、おもいっきりパラレルですな!
ってことで、残暑見舞いの小説『SEED版』です。
今回は、BLとかそんなのはおもいっきしない、旧連合の青春をかきたくて書きました^^;
みんなと遊べないクロト君は、実はものすっごい寂しがりやで、夏休みはみんなと遊ぶ!
って決めてました・・・けれど、みんなバイトや塾で遊べないってことで
寂しくて、思わず泣いちゃったんですよね。
今年の夏の初めは海がとっても冷たかったので、多分彼らも海で遊んでも
寒くてあがっちゃうんじゃないでしょうか?
っとか思ったんですが、ともかく海で遊んでくださーいってことで書きました☆
彼らの設定は、田舎の高校に通う、高校1年生。
で彼らの学校は一応男子校です。
そんな田舎の学校の青春ってこんな感じなのか?っと思いました。
たぶん、こんな小説もらう人はいないと思いますが
一応、フリー小説です。もらってやってください(いねえよ)
ってことで、ここまで読んでくださり、ありがとうございましたvv
Girl Cute 管理人 さおり 残暑見舞いフリー小説『SEED』版。
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