第四回 「がんばれギンくん」
 テクモ
 アーケード


一見の価値は絶対にあります。二度と見なくてもいいですけど。
デモ画面を見ているだけで、このゲームの真髄は味わえます。よってプレイする必要はありません。

ゲームの内容はミニゲーム集です。
当時人気だった「タントアール」シリーズより難易度が低く、敬遠していた私はこちらをプレイしました。
このゲームの真骨頂は、登場キャラクターのイカしっぷりです。
子供の落書きみたいなチビキャラの紹介をするデモ画面。

 ギン ← よいひと   (注:1プレイヤー)
 ハム ← よいカエル  (2プレイヤー)

この時点で通常の神経なら「何かがおかしい」と気づくでしょう。
さらに間髪入れず、このゲーム最高のキャラ紹介が続きます。

 ガツガツ ← ワルモノ (敵)

プレイすればするほど、たったこれだけのキャラ紹介がじんわりと心に染み入ります。
「悪人」でも「悪役」でも「悪党」でもありません。「悪者」です。
ストーリー上では、あるときはバラエティ番組の司会役として挑戦者のギンとハムに無茶なゲームを要求し
ある時はスパイの上官に扮して部下のギン&ハムに再訓練を課します。命を狙ってるように見えますが。

ミニゲームの解説。
レバーをぐるぐる回してパワーを溜め、ボタンでジャンプするという単純なものです。
目の前には巨大な肥溜め。背後からはガツガツが凶悪な表情で襲い掛かってきます。
「追い詰めて追い詰めて肥溜めに落としてやるガツ!」

バイクに乗ってのチキンレース。バイクは自動で走って行き、ボタンで停止させます。
「バイクは急には止まれないガツ!ザブンと失敗すれガツ!」

ガツガツ先生から様々なありがたいアドバイスをいただき、ゲームスタート。
爆弾の導火線についた火を消しとめるゲームで、着火するのはガツガツです。
爆弾で吹き飛ばされた頭部を左右に操作し、地面で待ちうける体にきちんと落下させるゲームで
爆破するのはもちろんガツガツです。
海岸線で幼児が遊んでいて、海に興味を持って行ってしまいます。溺れてしまう前に連れ戻しましょう。
海で泳ぎながら幼児を引き寄せるのは当然ガツガツです。

ストーリーと関連性のないミニゲーム内容、それもひとつひとつ世界観は別物。
共通する点は「ガツガツ=ワルモノ」ただ一点です。
失敗するとファイナルファンタジー6のケフカのような素晴らしい笑い声を聞かせてくれます。
時には「ガツガツと大砲を撃ち合う」などダイレクトに奴を葬る機会が与えられ、
そこでの気合の入り方は他のゲームの比ではありません。

他にも細かいところで味のある要素はあるのですが、とにかくガツガツが強烈過ぎます。
いつでもデコに移籍できる破壊力を持ち、ワルモノと言う言葉の奥深さを知らしめてくれます。
桃太郎電鉄の貧乏神の如く、もはやゲームに必須の存在にまで昇華された邪悪の化身。
プレイしている時に後ろから見ているだけでも、デモ画面を見ているだけでもその魅力の一端は垣間見えます。
もしも彼に惚れ込む事ができたら実際にプレイしてみましょう。
ゲームそのものは洗練されているとは言えませんが、天然電波系脱力空間を味わうだけでも
コインを投入する価値があるのです。


オススメ度:☆
続編期待度:



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