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第十三章;「コンクリの上で跳ねる魚」


 小雨のパラつく中、チケットを手渡し、手の甲にスタンプを押される。既にあちこちのステージからビートが響いている ──ああ、久し振りだ。一ヶ月ぶりの野外レイヴ。エントランスをくぐり、友達複数と落ち合いhugしまくる。っつーか、頭、大丈夫?打ったらしいじゃん。うん、どうにでもなれと思って来たよ。音の渦中で死ぬならそれでいい。馬鹿だなあ「殉職」じゃん。はは、レイヴが職業かよ。ところで、他のみんなは?さあ、前の方で踊ってんじゃねーの?そして笑顔。それから久し振りと初めましてと宜しくを何度か。空は薄いグレーで、多分一日雨が降る。荷物を放置し、コンクリの上で跳ねる魚みたいな人々の間を擦り抜けて前に出る。いたいた。友達が何人かもう踊ってる。カラフルな布が風に舞い、高速BPMに合わせて周囲が一斉に跳ねる。あちこちで沸く歓声と笑い声。みんな音が好きでしょうがないんだなあとおかしくなる。目を閉じて音の中を泳ぐ。スピーカー前でしばらくやっていたら、意識が全部持って行かれそうになる。我に還って彼方から響くDigeridooとジャンベのトリル音に誘われ、一人で狂騒の輪から抜ける。友達に目配せをする。また後で。ちょっと行ってくる。アスファルトを駈け抜けて音のする方向へ。FreeStyle&JamRockのエリアからだった。プリミティヴな太鼓の音にDigeridooが絡んでむちゃくちゃアガる。一帯がトランス状態。皆が両手を天に向けて揺れている。何かが降りてきそうだ。どんどん加速する音に、誰も雨なんか気にしていない。にしてもこの音はヤバい。4つ打ちの機械的な音も危ないが、生音ってのは全く別物だ。一斉に鳥肌が立つ。気持ちいい、何なんだろうこの感覚。ツボったのでそのまま曲が終わるまで楽しんで、それからサイケのグニャバキ音に惹かれて移動する。途中、友人カップル2組と再会、連れていた犬の散歩をする(ハイネケン飲んでた>犬)。それから別の友達3人に呼び止められて握手&hugする。更に別の友達とすれ違った。どこ行くの?サイケのステージ。テクノとハウスが最近駄目になったよ、安定しすぎて平静になる。ドラムンかドリルンならまだ大丈夫なんだけど。あと、HIP-HOPも変態くさいの最近あるから面白い。あー、わかる。サイケは理屈いらねえって感じだね、踊ってて一番オモロい。アガってるなあと思ったらいきなり落とすし。俺も一緒に行くよ、と友達も付いてきた。そのまましばらく友達三人でげらげら笑いながら踊る。日が落ちて、周囲に明かりが灯る。キャンドルとチャンダンの匂いが漂ってくる。アンビエントのエリアでベンチに座りつつ友達とタイラーメンを啜る。それからドーナツも。結局夜9時まで踊って、友達に手を振って先に退散した。明日もまだ一日あるのだ。
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